虐待対応は公認心理師に任せてください。
以下では公認心理師が虐待に対してできることを示します。
公認心理師が児童領域等公務員としての配置を呼びかける活動を「公認心理師虐待解決プロジェクト」と名付けます。
法によって目的づけられた心の健康
私たちは「国民の心の健康の保持増進に寄与すること(公認心理師法第1条)」を法律によって目的づけられた、心理職の国家資格であり、2019年4月から公認心理師が誕生します。
虐待の原因は家庭の外

私たちは虐待の原因を家庭に帰結させ、なんら解決をみない家庭を数多く見てきました。子どもが一番の被害者であるとして、虐待は環境が大きく関係します。その視点では保護者もまた被害者です。
例として、私たちが子どもを育て始めたら思い通りにはならない子ども、そこに愛おしさを見出すか、イライラする存在かは、親側である私たちの心の余裕を反映しているようです。
また、虐待とは白黒ではっきりと区別できるものではなく、グレーな部分が大いに存在し、それが虐待対応の難しさとなっているのです。
悲しい事件を二度と繰り返さないため、虐待の原因は環境にあると捉えなおし、外側から家族を支援できる方法を実施し、虐待を予防します。
虐待の早期発見

2018年9月(追加試験12月)臨床心理士のほとんどが公認心理師試験を受験し、この春公認心理師が誕生します。既に多くの領域で働いている臨床心理士が一気に公認心理師資格を取得したのです。
この事は、公認心理師をすぐに利用できる事を示しています。
私たちは臨床心理士の時代から年に幾度も研修を重ね、地方の会ではほとんど顔の知った仲です。このネットワークを活かせれば、領域同士の連携をスムーズに行えます。
さらに、被虐待児が示す特徴的な言動・行動・身体症状も把握しています。身なりの清潔さ、認知能力、身長と体重が平均と比べて遅いことなども、医療、教育領域において子どもに直接触れるチャンスがあれば見逃しません。
このことは虐待の早期発見に効果的です。
虐待が起こってしまったら

不幸にも虐待が起こってしまったら、私達公認心理師は親子両方のケアができます。また、里親となる場合でも親子関係構築のケアができます。
心理学の最も重要な発見に「愛着理論」があります。Harlow,H(1959)のサルの研究に始まり、人がどうやって親子関係を築いていくのかを体系化してまとめたBowlby,J(1969)の理論です。この理論では、「親密な他者(人種、性別問わず)と関係を築く」ことを「愛着」と名付け、「愛着が基本となり子どもが成長する過程で同じ様な対人関係のパターンを築く」ことを明らかにしました。
この愛着理論に基づくと子育ての責任は女性の母親にのみあるとは考えませんし、まして血縁関係のある親にだけ育てられなければ行けないとも考えません。
つまり安心して関係を育める環境さえあれば誰でもいいことになります。里親も当然子どもと関係が築けると言うことです。
被虐待児はその後ADHD様の行動を示すなど特徴的なことが起こるので、児童養護施設、里親家庭において子どもの特徴を捉えた子育て支援が必要です。
また被虐待児のプレイセラピーは既に臨床心理士が非常勤で担っています。
このように子ども、親、里親全てにケアができます。
児童領域公務員での配置を
公認心理師の前身資格である臨床心理士は民間資格であったことも原因とし、平均年収が200万円台の貧しい資格となっています。臨床心理士の多くが公認心理師と言う国家資格を取っても、現状のままでは研修にいけませんし、生きていくことがやっとです。
今回の痛ましい虐待死亡事件を受けて、政府は児童相談所の人員配置を検討しているとのことですが、児童領域の公務員に公認心理師を配置してください。
述べたように私たちには虐待対応ができます。守秘義務で子どもの安全を守ります。
政府関係者、そして一般の皆さま、どうぞ公認心理師資格について知って活用してください。
私たちは活躍の機会を待ち続けています。
KOKOROLABO 公認心理師おみょ