●精神科勤務で学べること
公認心理師なら、一度は精神科病院で働くことをおススメします。
患者さんの特性を中心に、症状の程度と環境との折り合いを学べます。
つまり、「置かれた環境内で、どの程度の症状で病気となるか」がわかる、と言うことです。
同じ症状の程度でも、家族の受け入れが良かったり、患者さんの社会性が高かったりすると、入院せずに通院で治せることがあります。
公認心理師の仕事は、環境と個人特性を把握し、改善の手助けをすることです。
●公認心理師の業務
これまで「臨床心理技術者」として保険点数が取れた業務は、公認心理師に変わっていくでしょう。それも、以前書いたように公認心理師が充足した段階で、点数のとれる業務が増えるでしょう。
保険点数とはつまり、病院での収入です。
現在臨床心理技術者が保険点数を請求できるものには以下のものがあります。
心理検査、病棟加算、集団療法、認知行動療法です。カウンセリングは診察と絡めて診療報酬をとるケース、患者さんの自費とするケースなどがあります。
●精神科病院では心理検査が主
心理療法を学んできた公認心理師が驚くのは、精神科病院では心理検査業務が主です。
先ほど述べたように病院は保険点数が取れるものを業務とするからです。
検査オーダーは、病院が抱える患者さんの層と、主治医の考えによりかなり変わります。
高齢者の多い地方の精神科では長谷川式が多いでしょう。患者さんの負担が少なくわかりやすい結果が出ます。
●病棟加算
入院病棟を持っている病院は、各病棟に専門職を配置することで、より高い保険点数を請求することができます。
入院病棟には種類があり、急性期病棟、慢性期病棟、療養病棟、などです。
●多職種での連携
医師、看護師、准看護師、看護助手、作業療法士、精神保健福祉士、臨床検査技師、事務職員などと一緒に働きます。
精神科病院では作業療法士の活躍が目立ちます。保険点数となる業務が多く、看護師と同等程度の地位を築いています。
病院内での地位を私の独断で順位づけしてみました。
1位 医師 文句なし
2位 看護師 勉強している、医師に次いで治療の中心
3位 作業療法士 点数とれるものが多い
4位 准看護師 病棟で夜勤などできる
5位 精神保健福祉士 国家資格が強い
6位 看護助手 無資格だけど、病棟で患者さんと交流
7位 公認心理師(臨床心理士) 病院では無資格者、学歴だけありプライド高い
えっと、やっぱり公認心理師が最下位でした(-_-;)
公認心理師は国家資格ですので、精神保健福祉士と同等ぐらいの順位になりたいです。
●その他
病院で常勤職として働きつつ、スクールカウンセラーや、他施設での心理業務が認められるケースがあります。
いずれも経営者の考え方や、心理部門の管理職が経営者とどんな関係性を築いているかによります。